INPEXはエネルギートリレンマに取組みながら、多様なエネルギーを持続可能な形で安定供給していくという使命を心に刻み、歩み続けて参ります
まず初めに、昨年に引き続き現在もウクライナ及びその周辺地域で緊急事態に置かれている皆様に、心よりお見舞い申し上げます。今後、事態が少しでも早く収束することをINPEX一同、心より願っております。
昨年来、ロシアのウクライナ侵攻に伴い天然ガスの需給がタイトとなるなど、先行きが不透明となり、エネルギーの安定供給が私たちの社会生活・経済活動に不可欠であることを改めて認識した1年となりました。同時に、Energy Transitionだけではなく、Energy Security(エネルギーの安全保障)、そしてEnergy Affordability(世界中の人々がエネルギーへ量的・価格の両面から安定的にアクセスできること)という、時に相反する三点をいかにバランスするか、すなわちエネルギートリレンマへの取組みが世界共通の課題となりました。当社はこのような状況下で、リスクと機会を見極めつつ、これまで以上にスピード感を持ってエネルギーの安定供給とEnergy Transitionを両輪で推進していくことをステークホルダーの皆様から求められていると感じています。
このような状況の中、2022年は豪州でのイクシスLNGプロジェクトをはじめとする世界各地の石油・天然ガスプロジェクトを通じ、原油換算日量62.2万バレルという当社過去最高の生産量を需要家の皆様にお届けできたことに加え、ネットゼロ5分野についても積極的な取り組みを進めることが出来ました。特に欧州の洋上風力やインドネシアでの地熱発電といった再生可能エネルギー事業を中心に約800億円の新規投資を行ったほか、新潟県柏崎市での水素・アンモニア製造・利用一貫実証に関する最終投資決定(FID)や、イクシスプロジェクトでのCCS導入に向けた鉱区落札など、今後に向けた種まきが出来た1年となりました。 また、気候変動対応目標に関しては、GHG排出量(Scope1+2)は7%減、原単位についても昨年に続き13%減少するなど、各所での取り組みが実を結ぶ結果となりました。
気候変動対応に加えて、生物多様性、水、廃棄物等、近年多様化している地球環境課題に関しても私たちのような総合エネルギー企業が担う役割は大きいと考えています。2022年末には「環境安全方針」を改定するとともに「生物多様性保全」、「水管理」、「廃棄物管理」の3分野について、「重要な生息地で実施される事業においては、ネットポジティブインパクトの創出を含む生物多様性に関する行動計画を策定・実行する」等、より具体的な取組みを記したコミットメントも発表しました。
INPEXは今後も、多様なエネルギーを持続可能な形で安定供給していくという使命を心に刻み、歩み続けて参ります。