基本的な考え方
当社はパリ協定目標の実現に貢献すべく、2021年1月に、2050年自社排出ネットゼロ(Scope1+2)目標を柱とする気候変動対応目標を定めました。その道筋として、2030年までにGHG 排出原単位を30%以上低減します。
気候変動対応関連の情報開示については、TCFD 提言に沿った開示を推進しています。具体的には、ガバナンスについては、取締役会による監督体制の維持、関与の拡大を図っており、事業戦略に関しては、国際エネルギー機関(IEA)のWorld Energy Outlook(WEO)及び日本エネルギー経済研究所で示されているシナリオへの対応力を評価した上で、ポートフォリオの検討材料の一つとしています。なお、IEAのWEOについては、2050年ネットゼロ排出シナリオ(IEA-NZE1)にも留意しています。
リスク及び機会については、年次評価体制を維持し、そのプロセスから導かれる対策に取り組んでいます。温室効果ガス排出量管理については、設定した気候変動対応目標の達成に向けた取組みを推進するとともに、その進捗状況の管理に努めています。
1 世界のエネルギーセクターが2050年にネットゼロを達成することを想定したIEA のシナリオ
担当役員のメッセージ
当社は2022年2月に長期戦略と中期経営計画(INPEX Vision @2022) を発表しました。2021年に発表した2050年自社排出量ネットゼロ目標の実現への道筋を示すものです。この中で、中期経営計画期間の定量目標として、排出原単位を2022年からの3年間で10%(4.1kg-CO2e/boe)以上低減することを掲げています。
また、2050年ネットゼロカーボン社会に向けた基本方針を「Energy Transformation のパイオニアとして、石油・天然ガスから水素、再エネ電力まで多様でクリーンなエネルギーを安定供給すること」と定め、2030年頃にネットゼロカーボンを理想から現実に変えていくために目指すべき姿を示しました。具体的には、ネットゼロ5分野の各事業((1)水素・アンモニア、(2)石油・天然ガス分野のCO2低減(CCUS)、(3)再生可能エネルギー、(4)カーボンリサイクル・新分野、(5)森林保全)を加速度的に拡大するとともに、石油・天然ガス分野では徹底したクリーン化を前提に安定供給に取り組んでまいります。
INPEX Vision @2022の内容は「気候変動対応の基本方針」(2022年3月改定)にも反映し、これに基づくネットゼロ5分野や当社の気候変動対応への取組みは、「INPEXの取組み」2にその進捗状況を掲載しています。
エネルギー業界では、トリレンマの解決、即ちエネルギーの安全保障・安定供給、誰もが無理なくアクセスできること、ネットゼロに向けたエネルギートランジションという3つの課題を同時にかつ現実的な形で進めていくことが重要であるという意識が世界的に主流になりつつあります。当社は、これまでもネットゼロカーボン社会の実現とエネルギー需要への適切な対応という社会的要請について対応すべく事業に取り組んでまいりました。今後もエネルギー企業として、引き続きクリーンで強靭な上流事業の継続によるエネルギーの安定供給と、ネットゼロ5分野の取組み加速という両輪により、事業戦略を推進してまいります。また、これらの取組みについて、ステークホルダーの皆様に向けた情報開示を充実させるよう努めていきます。
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