サプライチェーンマネジメント
基本的な考え方
世界約20か国でプロジェクトを展開する当社にとって、公正かつ公平な調達及び資機材・役務を提供する調達先の管理は重要な課題の一つと認識しています。当社では、公正かつ公平な競争を阻害する行為の禁止、優越的地位濫用の禁止、調達先の情報や技術の機密保持、不適切な利益授受の禁止などを「調達倫理指針-細則1」に明記し、調達業務の基本方針のみならず、当社の役員及び従業員が、経営理念やサステナビリティ憲章、また業務を遂行する上での遵守事項をまとめた「行動規範」の下、社内の調達関連部署で遵守・実行することを規定しています。また、2022年には調達先に対しても同様に労働・環境に関する法令遵守や腐敗防止、当社の人権方針の尊重などを含むESGに関する7事項を明文化した「サプライヤー行動規範」2を制定しました。加えて、定期的に調達先を調査・モニタリングすることで継続的なコミットメントを管理しています。
2023年には、「サプライヤー行動規範」の理解促進のための施策として、「サプライヤー行動規範ガイドライン」3を制定しました。サプライヤー行動規範で求める姿をより具体的に記載したもので、各サプライヤーでのESGの取り組みの底上げを目指しています。
マネジメント体制
「調達倫理指針-細則」並びに「行動規範」などに基づいた企業倫理・企業行動を徹底するため、管掌部署である、資材・情報システム本部長を含め、常勤の取締役及び執行役員などを構成員とし、コンプライアンス担当役員を委員長とするコンプライアンス委員会を定期的に開催しています。2023年1月に開催したサステナビリティ推進委員会においては、当社のサプライチェーンマネジメントに対する社外評価と当社の取組みについて審議されました。
2023年にはサプライチェーン上のサステナビリティに関わるリスクの特定と改善のため、SA8000の監査人資格を保有する社員と資材調達部門が協働し、「主要調達先の自己評価アンケート」及び主要調達先に対するCSR監査の内容見直し(アセスメント)を行い、人権・労働に関わる設問の追加を行いました。人権・労働に関して生じやすい課題は国毎に異なるため、当社の主要拠点である日本においてリスクとなりやすい差別、労働安全衛生、長時間労働に関する設問を追加することで、リスク管理の更なる強化を図っています。
サプライヤー行動規範
サプライチェーン全体でESGに取り組んでいくため、当社がサプライヤーに要請するESGに関する下記7事項を明文化した「サプライヤー行動規範」を2022年7月に制定しました。
項目 |
概要 |
---|---|
人権・労働 |
児童労働や差別の撤廃、労働者保護など人権に関する原則 |
公正な企業活動 |
贈収賄、談合・カルテル、反社勢力との関係の禁止など |
環境 |
事業活動による環境破壊の防止、CO2削減など |
機密保持 |
事業活動を通じて得た個人情報、秘密情報の保護 |
地域社会との共生 |
地域社会との共存、共栄の推進 |
不正予防・発見 |
従業員に対する啓蒙と報告窓口(ホットライン)の設置 |
情報開示 |
ESGに関する情報発信と透明性の確保 |
本行動規範は、当社標準契約書の中に含める形式で契約先サプライヤーに遵守を求めています。また、入札時ESG評価の実施や、リスク評価に応じたサプライヤー監査を実施することでサプライチェーン全体のリスク低減に努めています。