Sustainability Report 2023

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Sustainability Report 2023

ダイバーシティの推進

DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)に関する基本的な考え方

当社は、グループ行動規範に則り、人権に関する国際規範を尊重し、人種、肌の色、性別、性的指向、性自認、年齢、信条、宗教、出生、国籍、各種障がい、学歴などによる差別を行わず、従業員一人一人の個性、多様性を相互に尊重し活かしあい、従業員がその自己実現を行う機会を公正・公平に得られるよう配慮します。また、ハラスメント又はハラスメントと誤解されるおそれのある行為などは許容しません。

役員及び従業員一人一人がDE&Iの重要性を十分理解し、既成概念に縛られず自由闊達に意見を出しあい、新たなことに挑戦し続け、イノベーションを起こすことができる組織となるよう、多様性の受容、成長意欲、自律的行動をもとに、ビジネス現場で価値を創出する人材の育成を目指します。

DE&Iの推進は「最高に働きがいのある会社“Employer of choice”」を目指すうえで欠かせない重要な要素であると考えています。DE&Iの推進を通じた多様な社員の活躍により、激変するビジネス環境下においても永続的に成長することで、エネルギー開発を通じてより豊かな社会づくりに貢献し社会から評価される企業を目指します。

女性活躍の推進

DE&Iに関する基本的な考え方に基づき、女性が存分に力を発揮できる環境整備に積極的に取り組んでおりますが、依然として職種による偏在及び女性管理職割合の低さが課題であると認識しています。この課題解決に向け、当社においては女性管理職となり得る人材を一層積極的にキャリア採用していくとともに、新卒採用者における女性学生対象のイベント参加などの女性母集団形成に向けた施策の継続実施を通じ、毎年の新規採用者の女性割合が30%以上になるように取り組んでまいります。また、2023年12月末までに管理職(INPEX在籍者1で当社等級上、管理職とされる者)における女性比率を4%とすることを目標としておりましたが、2023年12月末時点で管理職における女性比率は4.3%であり、この目標を達成しています。今後、ポジティブアクションとして女性管理職となり得る人材を一層積極的にキャリア採用していくことで、女性管理職比率を2025年度中に6%とすることを目指しています。なお、昇進・登用に当たっては、ライフイベントなどにより一時的に業務の制限がかかる従業員についても不利とならないように適切に評価しています。なお、2021~2022年度は全役員・従業員に対してアンコンシャス・バイアスセミナーを開催しておりますが、2023年度にもジェンダー・バイアスや女性活躍に関する社内セミナーを開催し、男女合わせて387人の従業員が参加しました。また、女性リーダー育成を目的とし、社内から選抜した女性社員6名を外部研修に派遣しました。これらの取り組みを通じて、更なる職場のダイバーシティの促進と女性活躍の基盤づくりを推進しています。

1 日本国内の単体従業員に国内外への出向者を加え、受入出向者を除く

LGBTQ+

当社におけるダイバーシティとは人や事業に関する全ての違いを意味しており、そこには性的指向や性自認も含みます。

LGBTQ+に関する理解促進のため2017年から社内研修を継続実施しているほか、2018年度には役員向けにLGBTQ+に関する講話を実施しました。2019年度に社員有志によるINPEX LGBT ALLY2が活動を開始しています。社内制度の整備にも取組み、2020度年にLGBT当事者であることを理由に出張命令を断ることができるようにし、2021年度には、従業員の同性パートナーとその子どもを「家族」として取り扱い福利厚生などの対象とするとともに、自認する性を通称名に使用できるよう整備しました。また、LGBTQ+に関する社内相談窓口に加え、2022年度より社外専門家による相談窓口を設置しました。これらの積極的な継続的取組みが評価され、日本初の職場におけるLGBTQ+などの性的マイノリティへの取組みの評価指標「PRIDE 指標」において、2019年度より連続してゴールドまたはシルバーを受賞しています。

2 組織名のALLYは「支援者」「理解者」に由来します。

外国籍社員

当社では多様性のある職場環境が活力を生むという考えのもと、外国籍社員も積極的に採用しています。更に、お互いを尊重し、認め合いながら事業に貢献していけるような職場環境と人間関係を築くことを意味するインクルージョンを実現するため、特に日常業務を英語で行う外国籍社員に対して、日本での生活や仕事での負担をできるだけ軽減すべく、日本渡航時のリロケーションサポート、社内のイントラネット上での掲示物やドキュメントの和英併記を行っているほか、社外から講師を招聘して週1回の日本語レッスンも行うなど、安心し、いきいきと働ける就労環境の整備を行っています。

シニア層の活躍に向けた取組み

2019年度から自己内省や経験の棚卸を通じ、今後のキャリア形成の重要さを理解し、 更なる活躍、成長に向けたプロセスを自らがデザインすることを学ぶキャリア研修を30歳、40歳、50歳の従業員に向け開始しました。加えて、2022年度からは有資格者によるキャリア面談を55歳の従業員に対して実施し、シニア層の自律的なキャリア形成を支援しています。

また、2023年4月にシニア層(再雇用嘱託)の人事制度を改定し、60歳以降の業務の役割に基づく報酬体系に変更しています。

なお、2019年度に当社の100%子会社のINPEXソリューションズを設立しており、同社においては当社のシンクタンクとして調査・研究、コンサルティング、人材育成を行っています。定年を迎えた当社従業員の多くが同社に転籍し、自身が培ってきた知見の発信や新規事業の創出など、各人が持つ専門性を生かした業務に従事しています。

障がい者雇用の推進

業務内容や職場環境などを考慮しながら、障がい者の雇用を積極的に進めており、2023年度(2023年12月31日付)の日本における障がい者雇用者数は45名(雇用率は2.9%)でした。2020年度からは在宅勤務が定着したことにより身体障がいを抱える人にとってより働きやすく就労しやすい職場環境となっており、法定雇用率を上回る雇用率を維持しています。また、新型コロナウイルス感染の環境下において、周囲がマスクを着用しているために読唇術(口の動きで言葉を読み取るコミュニケーション方法)が使えない聴覚障がいのある従業員に対し、チャットを活用しての会議の開催、字幕機能付き会議ソフトの利用など、状況に応じた支援を実施してきましたが、引き続き、障がいを持つ従業員の負担を軽減することができるような施策を実施していきます。