地域住民からの意見への対応
当社は、前述の基本的な考え方に基づき、寄せられた地域住民からの意見について記録管理を行い、適切な対応を心掛けています。
フリーダイヤルやEメール、直接の対話などさまざまな手段を通じて受け付けた意見については、関係者内で共有し、意見の傾向のモニタリングを実施するとともに、新たな懸念事項を早めに特定し、リスクを未然に低減できるように努めています。また、地域住民からの苦情や申し入れについては、所定の対応手順に従い、ステークホルダーと協力して事実確認を行い、適切に対応しています。2022年は、いずれの拠点においても、同手順が適用される苦情の受け付けはありませんでした。
当社がオペレーターとして事業を行う拠点において、2022年度に受け付けた、社外ステークホルダー対応手順に従った地域住民からの問い合わせや意見の内容の内訳は、円グラフのとおりです。
ケーススタディ:西オーストラリア州でのステークホルダー調査
2022年、西オーストラリア州、特に当社にとっての重要コミュニティの一つであるキンバリー地域のブルームにおける経済・社会貢献の効果測定のため、総合的なステークホルダー調査が実施されました。
この調査では、当社より委託を受けたコンサルティング会社が、政府、産業、地元企業、地域社会の関係者を対象に、23の対面インタビューと複数のオンラインアンケートを6週間にわたって実施しました。
調査の結果、回答者の76%が「INPEXは信頼できる組織である」という問いに対し同意または強く同意し、全回答者の59%が、「INPEXが定期的にコミュニティと関わっている」という問いに同意または強く同意しました。また、ブルームにて対面インタビューに参加した回答者のうち87%は、「INPEXがキンバリーコミュニティに経済的・社会的価値をもたらしている」という問いに同意するなど、全体的にポジティブなフィードバックが得られました。
また、今回の調査結果の特徴として、ブルームを拠点にしているステークホルダーやサプライヤーは、「INPEXがコミュニティに価値をもたらしている」という問いに同意する傾向が強かった一方、政府やコミュニティ関係者からの認知度は低いことが分かりました。
調査の結果、当社が西オーストラリア州及びキンバリー地域においてステークホルダーとの今後のエンゲージメント戦略を見直し、関係性をより良くしていくための機会や改善が見込まれる分野が明らかになりました。2023年には、オーストラリアの北部準州で同様の調査を実施予定のため、今回の調査を通じて得られた知見を2023年の調査設計にも役立てていく予定です。