指標と目標
目標
当社は、「気候変動対応の基本方針」に則りパリ協定目標を支持し、低炭素社会の実現に貢献すべく「当社事業の低炭素化」および「社会の低炭素化への貢献」という2軸で目標を定めています。「当社事業の低炭素化」に関しては、2050年までに当社の排出量ネットゼロを実現すること、およびそのプロセスとして、2035年時点で排出原単位を60%以上低減(2019年比)することを掲げています。本目標の達成に向け、それまでのマイルストンとして「2025–2027 中期経営計画」では、2027年に排出原単位を35%低減(2019年比)することを目標としています。
この事業目標は、前回の中期経営計画で掲げていた「2030年までに30%低減(2019年比)」を前倒しで達成したことにより、さらに目標値を引き上げたものです。次に、社会の低炭素化への貢献として、Scope3排出量の削減については、バリューチェーン全体の課題として関連する全てのステークホルダーと協働するとともに、CCSをはじめとする低炭素化ソリューションの提供およびクリーン電力供給を通じて、2035年時点には社会に対し、年間820万トン程度の削減貢献を創出することを目指します。加えて、メタン排出原単位(メタン排出量÷天然ガス生産量)を現状の低いレベル(約0.1%)で維持することを継続し、通常操業時のゼロフレア達成を目指します。
気候変動対応目標
2 2019年比の削減目標(現在の経済環境と合理的な予測を反映したものであり、技術進展、経済合理性、各国・地域の施策実現等の事業環境を前提としている)
3 対象はオペレータープロジェクト
目標達成に向けたロードマップ
当社は当社事業の低炭素化目標に対し、以下のロードマップを作成し、達成に向け取り組んでまいります。ロードマップ及び目標の達成においては、技術進展、国内外の施策実現性等の外部環境からの影響を受けるため、シナリオ分析等を通じてこれらのリスクを洗い出すほか、限界削減コストカーブ(MACカーブ)1を利用して削減施策の費用対効果を分析し、定期的な戦略の見直しを行います。
1個別の削減対策について、削減ポテンシャル(対策の実施により想定される削減量)と削減コスト(CO2 を1トン削減するために要するコスト)を把握し、削減コストの安い順に各対策の削減ポテンシャルを並べたもの。
2050年に向けた当社事業の低炭素化ロードマップ
自社の排出量削減に加えて、社会の低炭素化へも取り組みます。社会の低炭素化へ資する目標として削減貢献量を掲げ、国内外の政府支援の活用も踏まえ、個別プロジェクトの採算性を厳正に評価した上で取組みを進めていきます。
社会の低炭素化への貢献ロードマップ
実績
2024年度の温室効果ガス排出量(Scope1+2)は、約6,878千トン-CO2eとなり、 2023年と比較すると約42千トン-CO2e減少しました。これは、操業でのクリーン電力活用や事業ポートフォリオの見直しによるものです。
項目 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
---|---|---|---|
Scope11(千トン-CO2e) |
6,839 |
6,864 |
6,833 |
Scope21(千トン-CO2e) |
69 |
56 |
45 |
排出原単位2(kg-CO2e/boe) |
28 |
28 |
28 |
メタン排出原単位3(%) |
0.05 |
0.05 |
0.05 |
当社の排出原単位
2 オフセットを含めた排出原単位
3 メタン排出原単位(オペレーショナルコントロール):メタン排出量÷天然ガス生産量(%)、Oil and Gas Climate Initiative の手法を踏襲
4 オフセットには、当該事業の環境価値が当社に帰属すると考えられる再生可能エネルギー事業による削減貢献量と、森林保全による吸収量が含まれる。再生可能エネルギーによる貢献量は「国際協力銀行の地球環境保全業務における温室効果ガス排出削減量の測定・報告・検証に係るガイドライン」(J-MRVガイドライン)に基づいて算出
オペレーショナルコントロール2 における温室効果ガス排出量実績は以下のとおりです。
2 本社、技術研究所、海外事務所、国内および海外のオペレーション事業体(当社がオペレーターとして操業を行う拠点)を対象範囲とする
項目 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
---|---|---|---|
Scope 1 (千トン-CO2e) |
6,339 |
6,622 |
6,614 |
Scope 2 (千トン-CO2e) |
48 |
35 |
36 |
温室効果ガス排出量データの集計・分析・報告
温室効果ガス排出の実績においては、現地国の制度、並びにGHGプロトコル等国際的なガイドラインに準じた手順を定め、定期的に集計、分析、報告しています。また、報告内容の信頼性確保のためにSOCOTECよりISAE3410を検証基準とした第三者保証を受けています。
国内の探鉱・開発事業では、国内の温室効果ガス排出削減の取組みとして日本経済団体連合会が自主的に行っている「カーボンニュートラル行動計画」にエネルギー資源開発連盟を通じて参加しています。2021年度には、2030年度排出量削減目標の見直しを実施しました。また、当社はGXリーグに参画しており、自主的な排出量取引(GX-ETS第1フェーズ)の対象企業です。GXリーグ事務局が定めるガイドラインに則った算定・モニタリングを実施した上で、政府目標に基づいて設定したGX-ETS自主目標に対する進捗を2024年から報告しています。