

代表取締役社長 上田 隆之
ステークホルダーの皆様との対話を重ね、サステナビリティの課題に取り組むことで持続的な企業価値の向上に努めていきます。
世界中でネットゼロに向けたエネルギー移行が進む今、当社は、経営環境の変化を踏まえつつ、より低炭素なエネルギーの安定的な供給と、持続可能で地球環境に配慮した「責任あるエネルギー・トランジションの実現」を目指し「INPEX Vision 2035」を発表しました。
その中でも、エネルギーの安定的な供給に欠かせないのが従業員の安全である「セーフティ」です。当社が事業を行うにあたり、死亡事故、重篤負傷、重大漏えいなどは、絶対に起こしてはならない重大な事故と既定し、「重大な事故ゼロ」を経営目標の一つとして、全従業員共通のセーフティの目標を定めて取り組んでいます。2024年度は主要経営指標である「重大な事故ゼロ」を達成しました。「INPEX Vision 2035」でもこの目標は引き続き掲げており、今後もセーフティのさらなる強化に取り組んでまいります。
更に、気候変動対応への取組みとして、当社はパリ協定を支持し、「INPEX Vision 2035」では低炭素社会の実現に貢献すべく「当社事業の低炭素化」および「社会の低炭素化への貢献」という2軸で目標を定めました。「当社事業の低炭素化」に関しては、2050年までに当社の温室効果ガス(GHG)排出量ネットゼロを実現すること、およびそのマイルストーンとして、2035年時点でGHG排出原単位を60%以上低減(2019年比)することを掲げています。本目標の達成に向け、2027年には、GHG排出原単位を35%低減(2019年比)することを目標としています。本年は、前中計期間に目標として定めていたGHG排出原単位10%低減(2019年比)を達成しており、2050年ネットゼロに向けた取組みを推進しております。また、「社会の低炭素化への貢献」に関しては、Scope3排出量の削減のために、バリューチェーン全体の課題として関連する全てのステークホルダーと協働するとともに、CCS1 をはじめとする低炭素化ソリューションの提供およびクリーン且つ高付加価値な電力供給を通じて、2035年に年間820万トンCO2の削減貢献を目指します。
最後になりましたが、当社は、重大な事故ゼロやGHG削減だけに留まることなく、2025年以降開始するオペレータープロジェクトにおいては森林伐採ネットゼロの達成、水ストレスの高い地域での淡水取水ゼロの維持、掘削時の掘屑の最終埋立率1%以下の維持など、各種課題への継続的な取組みを通じて地球環境課題への対応も実践してまいります。
当社は今後も、ステークホルダーの皆様との対話を重ね、サステナビリティの課題に取組むことで持続的な企業価値の向上に努めていきます。
1Carbon Capture and Storage:炭素回収・貯留