事業継続計画(BCP: BUSINESS CONTINUITY PLAN)の取組み
大規模自然災害対策
当社では、当社の事業拠点それぞれで起こり得る自然災害のリスクを評価し、地震や大雨洪水など、それぞれの自然災害に関する適切な予防・低減策を実施するとともに、万が一の事態に備え、緊急時対応計画書や事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定し、被害にあった際にも人命を守り、また迅速に事業を復旧させるための準備を整えています。
また、本社地域では首都直下地震想定のBCP及び初動対応マニュアルを、内閣府中央防災会議による被害想定などを踏まえ、整備しています。当社における事業継続の方針として、人命の安全確保・環境保全を前提とした、エネルギー供給の維持などを優先する全社共通の価値観を明確にするとともに、BCPなどにおいて、代行拠点の設定や休日・夜間時に被災した際の対応、会社からの帰宅ルールなどを規定しています。これらを踏まえ、1年に1回定期的に首都直下地震発生を想定した危機対応訓練を実施しており、訓練から得られた課題を基に、マニュアルの改善や資機材・設備・備蓄の見直しなど、災害発生への備えを継続的に強化しています。
令和6年能登半島地震への対応
2024年1月1日に発生した能登半島地震による上越市での震度5強の揺れを受け、直江津 LNG基地の稼働を停止したものの、国産ガス、導管にある天然ガス及び他社からの融通により、顧客への天然ガスの安定供給を継続いたしました。また、津波警報・注意報解除後には、速やかに安全確認を進め、一日もたたずに基地からの送ガスを再開いたしました。これは内陸地殻内地震としては日本でも稀な大きさでしたが、全ての従業員が安全第一で作業にあたり、怪我人もなく極めて早期に送ガスの再開のため迅速に対応し、エネルギーの安定供給という当社の使命を果たすことができました。
また、被災者の方々や被災地支援に役立てていただくため、義援金3,000万円及び公益財団法人日本財団を通じて軽油5,000ℓを寄付するとともに、柏崎市と上越市の当社社員寮では、津波警報を受けて避難して来られた地域住民の方々を受け入れ、うち上越市では備蓄食料の提供も行いました。
感染症への取組み及びその流行に関するリスク管理
当社は、あらゆる感染症のパンデミックに対応するため、かねてより感染予防マニュアルを策定しており、さらに、パンデミック発生時の危機に対応するBCPを策定し、危機的状況においても原油・天然ガスの供給を続けるインフラ企業としての責任を果たすべく準備を整えています。
2020年以降の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行に際しては、代表取締役社長を統括責任者とするコーポレート危機対策本部を設置し、当社全体で情報共有体制を確立し、全社的な対応策を定めて実行しました。また、国内外の拠点や事業所などに、現地責任者を本部長とする現地対策本部を設置し、各地特有の状況にきめ細かく対応する体制を整備、これに上記のBCPを適用することで、政府による緊急事態宣言の発令などの大きな状況の変化にも円滑に対応し、原油・天然ガスの安定供給を継続しました。