健康経営の推進
INPEXグループ健康宣言
「社員一人ひとりの心身の健康が会社の基盤である」という考え方の下、会社が健康管理を経営課題として捉え、従業員及びその家族の健康保持・増進に取り組んでいくことを明確にするため、社長を最高健康責任者(Chief Health Officer)として2018年9月に「INPEXグループ健康宣言」を制定しました。
宣言では、従業員とその家族の心身の健康保持・増進と社員一人一人が十分に能力を発揮できる働きやすい職場環境を形成し、活力に満ちた企業風土の醸成を図るように取り組むとともに、自分の健康は自分で守る意識を持って生活習慣の改善など、自らの心身の健康づくりに主体的に努めることにしています。
健康経営の運営体制
最高健康責任者である社長の率先模範の下、会社・労働組合・健康保険組合・産業医が一体となって健康保持・増進や職場づくりに取り組んでいくため「健康経営推進委員会」を設置して(委員会発足日:2018年9月26日)推進体制を構築しています。
委員会は年に1回以上定期的に開催しており、従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討を始め、PDCA サイクルを繰り返すことによって継続的に改善するよう取り組むこととし、本社産業医も委員会メンバーとなり、委員の専門性向上も図っています。
審議事項など
- 社員の健康課題の把握と必要な対策に関すること。
- 健康経営の実践に向けた基礎的な土台づくりと職場環境の対策に関すること。
- 社員の心と身体の健康づくりに向けた具体的対策に関すること。
- 健康保持、増進を目的とした導入施策への効果の検証。
- その他健康保持、増進に関する重要事項。
健康保持・増進の取組み施策
当社は健康管理を経営課題として捉え、「INPEXグループ健康宣言」においては、従業員とその家族の心身の健康保持・増進と社員一人一人が十分に能力を発揮できる働きやすい職場環境を形成し、活力に満ちた企業風土の醸成を図るように取り組むこととしています。従業員の健康診断結果をデータベース化し一元管理を行うとともに、本社並びに一定規模以上の事業所には保健師が常駐し、保健指導やメンタル不調対応など事業所内産業保健スタッフが連携の上、体系的に心身の健康管理の取組みを実施しています。
これまでも健康診断受診率100%を始め、メンタルヘルス・過重労働対策、分煙対策、健康アプリ導入、健康促進イベントなど、従業員の健康保持・増進に向けたさまざまな施策を実施していますが、その取組みを更に強化するため、2022年度に中長期視点での「INPEX健康経営戦略マップ」と「INPEX7つの健康行動」を策定し、健康行動の実践度や効果検証を継続的に実施しながら更なる当社従業員全体の健康水準を図る取組みを行っております。また、健康診断受診率やストレスチェック受診率、時間外労働平均、有給休暇取得率、特定健康診査受診率や特定保健指導実施率などは具体的な目標を設定し、高ストレス者や体調不良者の出現率を低減するため、社員一人一人が健康意識を高く持ち、心身ともに健康でいきいきと働ける会社の実現に向けて取り組んでいます。
なお、海外勤務者へは、各種感染症予防接種や年1回の日本での健康診断を実施し、さらには赴任先における医療情報を提供し、傷病時の国外搬送を含む緊急搬送体制を整備しています。
メンタルヘルスの取組み
一人一人の心身状態の把握や所属する組織状態を分析し、改善することでより働きやすい職場づくりを目指すべく、従業員に対し年に1回のストレスチェックを実施しています。2022年度の実施率は約93%と高い水準を維持しており、これにより従業員のメンタルヘルスを定期的に確認しています。
また、メンタルヘルス疾患者に対しては、主治医、産業医、保健師、人事、所属部門上司が連携し、休業中の従業員・復帰後の従業員に対する各種フォローを実施しています。
さらに、新入社員に対しては入社時の研修で心理的安全性に関する教育や、心身の不調を相談できる外部の従業員支援プログラム(EAP)面談や定期的にパルスサーベイを実施しているほか、海外の駐在員と帯同家族などへの心理カウンセラーによる相談サポートも追加的に導入しました。加えて、研修制度の一貫である、先輩社員が業務上の指導や精神的サポートを行うメンター制度(事務系は入社1年目、技術系は入社1、2年目)及びサポーター制度(事務系入社2, 3年目)についても定着しています。
健康問題に対する取組み
従業員の健康を支えるために、様々な取組みを行っています。
健康診断については、会社での集団健診開催、人間ドック及びがん検診の補助、産業医による健診結果の報告等、従業員が定期的に健康診断を受けその結果を理解し日々の生活に活かせるような施策を行っています。また、感染症についてもインフルエンザワクチン接種の補助を行っています。
海外拠点に駐在して業務にあたる従業員とその家族には、赴任前後の健康診断に加え赴任中は年1回の健康診断を実施して定期的な健康状態の確認、赴任先での感染症に関するリスク(マラリア、ジカウイルス、HIV、結核等)や海外医療リスクの周知、赴任前の予防接種や一時帰国中の健康診断等に係る費用を会社が負担する等を通じ、駐在先での従業員の健康不安解消及び健康維持に努めています。
また、がん等に罹患した従業員が、治療と仕事を両立できる環境づくりにも努めており、病気休暇の新設や勤務方法の柔軟化(時短勤務延長や短時間フレックス、週当たりの勤務日数の選択)などの整備を進めています。
当社の健康経営のための取組み実績
【2023年度実績】
<健康経営推進委員会の開催>
- 2023年6月1日、2023年12月14日の2回開催
<健康経営施策に関する主な取組み>
- メンタルヘルス管理の強化(全社員を対象にしたメンタルヘルス研修(e-ラーニング)の実施)
- メンタル専門医との契約、専門医療機関との連携強化
- 新たな健康アプリの導入
- 全事業所を対象に就業時間中の完全禁煙を目指す禁煙活動3か年計画の2年目取組み
- 「オンライン健康セミナー」と「朝食欠食と野菜不足解消の食生活改善に向けたスムージーデリバリー」を組み合わせたトータル健康サポートプランの継続
健康投資項目 |
|
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
健康行動促進 |
健康サポートアプリ導入率(%) |
19.1 |
20.0 |
58.3 |
||||||||
健康イベント参加率(%) |
6.7 |
3.8 |
— |
|||||||||
オンライン健康セミナー参加率(%: 2022年~) |
— |
— |
11.6 |
|||||||||
生活習慣病・重症化予防 |
特定保健指導実施率(%) |
9.8 |
23.7 |
30.7 |
||||||||
定期健康診断受診率(%) |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
|||||||||
二次健診受診率(%) |
66.9 |
79.6 |
83.7 |
|||||||||
駐在員の一時帰国時健診受診率(%) |
40.0 |
51.7 |
60.2 |
|||||||||
がん検診補助申請件数(件) |
21 |
17 |
19 |
|||||||||
病気休暇取得件数(件: 2022年~) |
— |
— |
11 |
|||||||||
病気休職者(人) |
4 |
0 |
1 |
|||||||||
喫煙率(%) |
15.1 |
16.3 |
16.6 |
|||||||||
適正体重維持者率(%) |
69.4 |
70.5 |
68.4 |
|||||||||
運動習慣者比率(%) |
28.7 |
36.3 |
29.2 |
|||||||||
「睡眠により十分な休養が取れている人」の割合(%) |
81.7 |
81.0 |
77.5 |
|||||||||
飲酒習慣者率(%) |
18.9 |
17.9 |
18.6 |
|||||||||
血圧リスク者率(%) |
0.4 |
0.2 |
0.4 |
|||||||||
血糖リスクと考えられる人の割合(%) |
0.2 |
0.2 |
0.5 |
|||||||||
糖尿病管理不良者率(%) |
0.4 |
0.5 |
0.6 |
|||||||||
メンタルヘルス対策 |
セルフチェック受検率(%) |
23.1 |
18.2 |
17.5 |
||||||||
ラインケア/セルフケアセミナー参加率(%) |
— |
— |
— |
|||||||||
ストレスチェック組織診断受検率(%)1 |
94.5 |
91.3 |
93.1 |
|||||||||
ストレス反応(偏差値) |
53.2 |
50.6 |
50.6 |
|||||||||
ワークエンゲージメント(偏差値)2 |
51.4 |
52.0 |
52.7 |
|||||||||
高ストレス者割合(%) |
6.0 |
6.3 |
6.3 |
|||||||||
高エンゲージメント者割合(%) |
12.8 |
14.7 |
15.8 |
|||||||||
心理的安全性(偏差値) |
— |
50.8 |
50.9 |
|||||||||
アブセンティーイズム(日) 3 |
0.8 |
1.1 |
0.9 |
|||||||||
プレゼンティーイズム(点) 4 |
62.9 |
64.6 |
65.4 |
|||||||||
メンタル不調長期欠勤・休職者数(人) |
15 |
17 |
16 |
|||||||||
各種相談窓口相談件数(件) |
241 |
222 |
201 |
|||||||||
ワーク・ライフ・バランスの推進 |
平均残業時間(時間) |
21.3 |
22.6 |
21.9 |
||||||||
法定外労働月45時間超延べ人数(人) |
1,398 |
1,413 |
1,654 |
|||||||||
法定外労働月80時間超延べ人数(人) |
77 |
69 |
82 |
|||||||||
休暇取得率(%) |
65.0 |
66.5 |
71.8 |
|||||||||
1on1ミーティング(%: 2022年~) |
— |
— |
48.4 |
|||||||||
各種サークル活動補助使用率(%) |
12 |
17 |
63 |
|||||||||
福利厚生代行サービス利用率(%) |
51.0 |
51.5 |
56.4 |
|||||||||
|
【その他の健康保持・増進に関する取組み一覧】
健康対策全般
- 医務室・健康管理室の設置(産業医・保健師・看護師)
- 健康相談窓口の設置
- 生活習慣病予防の支援
- 健康診断費用の補助
- 二次健診受診時の就業時間認定
- 健康診断結果による産業医との面談
- 健康関連セミナーの開催
- 肩こり・腰痛予防のストレッチやヨガの実施
- ラジオ体操の実施(始業前)
- 厚生活動の実施
- カフェテリアプラン導入によるスポーツ施設の利用促進
- 社内でのインフルエンザワクチン接種・費用補助
- 予防接種を受けるための就業時間認定
「健康経営銘柄」並びに「健康経営優良法人ホワイト500」に認定
当社は、経済産業省と東京証券取引所が共同で実施する「健康経営銘柄」に2020年から2023年まで4年連続で認定されました。同時に、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」(ホワイト500)に2019年から2023年まで5年連続で認定されました。「健康経営銘柄」は、経済産業省と東京証券取引所が共同で、従業員の健康管理を経営的な視点で戦略的に実施する「健康経営1」を進めている上場企業のうち、取組みが特に優れている企業を認定する制度であり、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」(ホワイト500)は、経済産業省と日本健康会議が共同で、優良な健康経営を実践している法人を認定する制度です。
当社では、「健康経営銘柄」、「健康経営優良法人(大規模法人部門)(ホワイト500)」に認定されるように、従業員の健康課題の把握と必要な対策の実施、健康経営の実践に向けた基礎的な土台づくりと従業員の心と身体の健康づくりに向けた具体的施策に取り組んでいきます。
1 健康経営は、NPO 法人健康経営研究会の登録商標です