Sustainability Report 2023

ダウンロードセンター

Sustainability Report 2023

HSEに関する目標と計画

第4期コーポレートHSE中期計画(2023年~ 2025年)- HSE管理の更なる向上を図るための取組み

1.事故を未然に防ぐ取組みの強化

中期計画の目標

  • 重大な事故ゼロを維持する。LTIR・TRIRをIOGP平均レベルに低減するため、事故を防止するHSEリスク管理を強化する。
  • オペレーション事業を効率的に支援するHSE管理文書やツールを整備する。HSEデータ管理を効率化するITシステムの構築を検討する。
  • 労働安全リスク低減のための新技術の導入を検討する。

2023年度重点目標

評価

評価と今後の対応

事故情報・教訓の速やかな共有、根本原因などの傾向分析を行うことに加えて、社員及びコントラクターへの安全教育や対話を徹底する。

  • INPEX全体のLTIRは昨年を上回り、TRIRは昨年を下回る結果となった(2022: LTIR 0.27、TRIR 2.53、2023: LTIR 0.51、TRIR 2.17)。中期計画の目標であるIOGP平均レベル(参考値2022: LTIR 0.28、TRIR 0.98)も未達であった。
  • イクシスLNGプロジェクトにおいて、Tier1プロセスセーフティ事故が1件発生した。
  • 安全パフォーマンス悪化を受けて、2023年9〜10月を特別月間とし全社的な安全キャンペーンを実施。

2.体系だったプログラム通じたプロセスセーフティ管理の更なる改善

中期計画の目標

  • プロセスセーフティ管理ロードマップの重点プログラムおよび目標に従い、設備健全性とプロセスセーフティ管理(AIPSM)を強化する。

2023年度重点目標

評価

評価と今後の対応

ロードマップに基づく設備健全性及びプロセスセーフティ管理の取組みを着実に実施する。

  • 全社員に対するプロセスセーフティ上必要な力量の特定と管理方法の策定に係る作業を開始し、対象とするポジションと必要な力量を特定した。2024年に本作業を完了し、オペレーション事業体への展開に着手する予定。
  • 変更管理要領を発行した。
  • イクシスLNGプロジェクトにおけるプロセスセーフティ・リスクの確認作業を開始した。本活動を2024年に完了させ、イクシスLNGプロジェクトのプロセスセーフティ・リスク管理活動とコーポレートのHSEリスク管理活動を結びつける予定。
  • 複数のプロジェクトの設計業務を通じ、水素・アンモニアへの安全設計・評価に対する実践的な知見を習得した。

3.地球環境課題への取組みと環境価値の創造

中期計画の目標

  • 現行のHSEマネジメントシステムの環境管理の仕組みを見直し、地球環境課題への対応、及び社会管理を強化する​。​
  • 温室効果ガス排出量削減に向けた取組みを推進する​。​
  • 生物多様性保全及び水管理について、ミティゲーションヒエラルキーに基づき管理し、ポジティブインパクトの創造を推進する​。

2023年度重点目標

評価

評価と今後の対応

全社的な環境・社会影響管理の基盤を構築する。また、温室効果ガス排出量削減に向けた全社的な検討を進めると共に、地球環境課題に取り組む。

  • 気候G、技術企画Uとの連携の下、温室効果ガス排出量削減に向けた体制を構築。OGMP2.0に正式加盟。
  • 国内における生物多様性については、TNFDの要求事項に準拠したトライアル評価を実施し、評価作業における課題等を特定した。
  • 水収支、廃棄物処分フローの精査を実施した。

4.新たな脅威への備え

中期計画の目標

  • 地政学的リスクへの備えの強化(セキュリティリスクアセスメントの徹底)及び各拠点のセキュリティリスクの再点検を実施する。
  • サイバーセキュリティリスクへの備えを強化する。
  • 災害激甚化への備えを強化する。

2023年度重点目標

評価

評価と今後の対応

サイバー攻撃、自然災害、地政学的リスクに対する計画の確認や見直し等を通じ、新たな脅威への備えの強化を推進する。

  • 各事業体で、自然災害や地政学的リスクに関連する緊急時対応訓練を継続している。
  • コーポレートは地政学リスクを想定した緊急時対応計画書を、複数の海外拠点に対して策定し、訓練を定期的に実施した。
  • コーポレートは情報システムユニットと連携し、操業拠点でのサイバー攻撃を想定した緊急時対応計画書を策定した。
  • 本社危機対策本部室のリニューアルの他、総務本部と連携し首都圏地震対応計画をアップデートした。

5.健康管理・感染症対策の強化

中期計画の目標

  • 健康管理要領の要求事項を実施し、全社的な労働衛生管理の強化を図る。
  • INPEXグループ健康宣言の取組みを推進し、特にメンタルヘルスケアの充実化を図る。
  • 感染症に係る備え及び対応を確立する。

2023年度重点目標

評価

評価と今後の対応

コーポレート健康管理要領に基づき、メンタルヘルス、感染症及び疲労管理を含む健康管理及び健康パフォーマンスの改善に取り組む。

  • C-CMT(COVID-19)事務局を務め、COVID-19感染症の最新動向のモニタリング、対策の情報収集と報告をタイムリーに実施した。
  • イクシスLNGプロジェクトにおいては、Mental Health and Wellbeing Programを実施中。
  • 国内事業体においては、熱中症対策への取組みを強化している。

6.HSEリーダーシップの発揮及びHSEMSの有効性向上

中期計画の目標

  • マネジメントによるHSE関与を増加し、会社全体のHSE意識を向上させる。
  • HSEマネジメントシステム文書の品質を向上させる。
  • HSE監査の品質を向上させる。

2023年度重点目標

評価

評価と今後の対応

HSEMS GAP分析及びコーポレートHSE監査の結果を活用し、HSEMSの有効性を向上させる。また、監査の品質及び監査能力を向上させる。

  • 国内外の事業体の現場を対象として、計11回のマネジメントサイトビジットを実施した。
  • 国内事業体においては、現場訪問時の懇談会や視察を充実させている。
  • DOM、DSMを対象としたコーポレート監査を実施し、マネジメントシステム上の大きな問題点がないことを確認した。

7.HSE力量向上及び人材確保

中期計画の目標

  • 職種ごとに必要なHSE力量の決定並びに管理する仕組みを構築する。
  • グローバルINPEXレベルでのHSE要員の育成及び社員のHSE力量の底上げを目的とした、人事交流を推進する仕組みを構築する。

2023年度重点目標

評価

評価と今後の対応

HSE要員の育成及び社員のHSE力量を向上させる仕組みの原案を作成する。

  • コーポレートからプロセスセーフティエンジニアや環境専門家を国内外の事業体に派遣。
  • イクシスLNGプロジェクトからHSEアドバイザーをコーポレートに短期派遣。
  • HSE力量管理の枠組みについて、ドラフト版文書を作成した。

8.ネットゼロ5分野へのHSE管理の実践

中期計画の目標

  • ネットゼロ5分野事業に対して目的に適ったHSE管理を実践し、支援する。
  • E&P事業のみならずネットゼロ5分野事業への技術サポートを推進する。

2023年度重点目標

評価

評価と今後の対応

ネットゼロ5分野のプロジェクトに対しても積極的にHSE管理に関与し支援を行う。

  • 今年度は国内では平井ブルー水素、奥飛騨地熱井掘削、イクシスLNGプロジェクトではWheatbeltにてHSE管理の実践に着手した。