Sustainability Report 2023

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Sustainability Report 2023

ステークホルダーとの関わり

日本における取組み

当社の国内事業拠点(新潟、南阿賀、長岡、柏崎、直江津、秋田、千葉)では、地域社会の担当窓口を設置し、操業地域のステークホルダーとの対話を実施しています。

また、例年、柏崎で開催されるマラソン大会の協賛やボランティア参加など、地域イベントに積極的に参加しているほか、新潟、長岡、柏崎、直江津、秋田の各地域で行われる夏祭りの花火打ち上げ協賛、長岡では地域住民の方々との年2回の森づくり活動を通じて環境保全への取組みも行っています。当社のガスサプライチェーンの中核施設であり、オーストラリアのイクシスLNGプロジェクトから出荷されたLNGを受入れている直江津LNG 基地では、地元の方々や市役所、官庁などに向けて2か月に1回ニュースレターを発行し、基地内での各種作業の様子や安全操業への取組みなどを紹介しています。また、地元で行われるソフトボール大会など、行事への参加を通して、地元の方々との交流を深めています。

オーストラリアにおける取組み

オーストラリアに拠点を置く当社の地域コミュニティエンゲージメントチームは、イクシスLNGプロジェクトの操業や地域におけるその他の事業活動、また地元の雇用やビジネス、地域社会への投資の機会についての最新情報を、主要なステークホルダーおよび地域社会全般に周知することに力を入れています。

ステークホルダーとの対話は、INPEXが操業または事業活動を行う地域で展開します。対話の目的に応じて、またステークホルダーの好みに気を配り、さまざまな対話の方法を用意しています。例えば、対面やオンライン会議、業界及び地域社会のフォーラムやイベント、電子メールやオンラインでの情報提供、主要メディア及びソーシャルメディア、広告、広報資料など様々な形で地域に情報を提供しています。

2023年度に実施した、政府、産業、企業及び地域社会のステークホルダーとの対話は300回を超えました。また、地域の人々が当社の活動に対してフィードバックを提供できるよう、フリーダイヤルの電話番号と問い合わせ用メールアドレスを当社ウェブサイトやその他の場でお知らせしています。2023年度には380件の問い合わせを受け、そのうち48%は雇用機会に関するものでした。

ノーザンテリトリーにおける2023年のコミュニティ対話

キンバリー・コミュニティ・アップデート2023

インドネシアにおける取組み

インドネシアのアバディLNGプロジェクトでは、プロジェクト立地地域のコミュニティや住民など、プロジェクトにより影響を被るステークホルダーだけでなく、中央政府、州・地方政府、NGOを始めとする幅広いステークホルダーを特定し、各ステークホルダーとの円滑なコミュニケーションを実施しています。特に、プロジェクトが立地する地域には、当該地域出身の従業員を常駐させ、地域社会と日々積極的な対話を心掛けています。

また、現在実施中の環境社会影響評価では、インドネシアの環境社会影響評価制度(AMDAL)の一環として開催する住民説明会(パブリックコンサルテーション)の実施に先立ち、AMDAL の要求事項のみならず、国際的な環境社会ガイドラインであるIFC Performance Standards(IFC PS)で規定されているステークホルダーとの関与に関する要求事項に基づいたStakeholder Engagement and Public Consultation Plan(SECP)を策定し、同Planに準じた取組みを実施しています。

これまでの環境社会影響評価の各工程におけるステークホルダーとの関わりは、以下のとおりとなっています。

時期

工程

ステークホルダーに関する取組み

2018年

ステークホルダーの特定

  • プロジェクト実施における幅広いステークホルダーを特定し、ステークホルダーマッピングを作成。

2019年

Stakeholder Engagement and Public Consultation Plan (SECP)の策定

  • インドネシアの環境社会影響評価制度における要求事項、並びにIFC PSのステークホルダーとの関与に関する要求事項を特定。
  • 上記の要求事項を網羅したSECPを策定。

AMDALにおける住民説明会の実施

  • プロジェクトの立地地域において、AMDALにおける住民説明会を開催し、地域社会の関心事項を聴取。

KA-ANDALの策定

  • 上記の住民説明会で聴取した地域社会の関心事項も考慮し、環境社会影響評価の仕様書 (KA-ANDAL)を策定。

現況調査

  • FGD (Focus Group Discussion)、Household Survey、及びKII (Key Informant Interview)などの対話型の調査を実施し、被影響コミュニティの現況を把握。

2020年~
2021年

影響評価

  • 建設時、及び操業時における被影響コミュニティへの影響を評価。当該影響評価では、地域社会の関心事項に関する影響評価も実施。

2022年~

環境管理計画・モニタリング計画策定

  • 上記の影響評価の結果も踏まえ、環境管理計画・モニタリング計画を策定中。

2023年

対象地域を拡大

  • プロジェクトの立地地域に隣接する南西マルク県及び住民との対話に基づき同県を環境社会影響評価の対象地域に追加

アブダビにおける取組み

アブダビ陸上探鉱鉱区(Onshore Block 4)プロジェクトでは、プロジェクトサイト周辺の地域コミュニティへの情報開示を積極的に実施し、当社従業員による現地語での丁寧かつタイムリーな対話を継続しています。

本プロジェクトで掘削作業を実施するエリアの周辺には、地域コミュニティの居住区や農地が立地しています。環境社会影響評価では、プロジェクトにより影響を受けるステークホルダーを特定し、その地域的分布を把握しています。また、プロジェクトの実施によるステークホルダーへの影響を評価し、その結果を踏まえ影響低減策や環境モニタリングを計画、実行しています。本プロジェクトでは、プロジェクトサイト周辺で大気質や騒音レベルの環境モニタリングを実施しています。

サイトで掘削作業等を開始する前には、自治体と協力して地域コミュニティへのプロジェクトブローシャーの配布及びショートメッセージサービスの配信を行い、作業内容、作業期間、作業による影響、問い合わせ先を周知しています。地域コミュニティから質問やご意見をいただいた際には、対面や電話等により速やかに応答し、透明性の高いコミュニケーションに努めています。