Sustainability Report 2023

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Sustainability Report 2023

先住民との関わり

先住民社会との協調活動計画(RAP)

オーストラリアでは、当社の「先住民社会との協調活動計画(RAP:Reconciliation Action Plan)」に基づき、先住民及びトレス海峡諸島民と協力し、互いに有益で持続性のある関係を構築する取り組みを進めています。

RAPは、当社が事業を展開する地域社会における調和を促進するために具体的な行動及び成果物を定めたものです。2023年に当社は、これまでのRAPでの成果を足がかりに、さらに目標を拡大するためのさまざまな行動と成果物を盛り込んだ、3期目のINPEX Stretch Reconciliation Action Plan (RAP) 2023–2025を開始しました。RAPに含まれる行動と成果物の実施は、RAP Steering Committeeの監督のもと、RAP Working Groupが推進します。RAP実施の進捗状況は、社内外で定期的に共有します1

1 Reconciliation Action Plan Report 2022

雇用及び調達機会の創出

当社はオーストラリアでの事業活動を通じ、先住民及びトレス海峡諸島民の地域社会が複数世代にわたり持続可能な形で経済活動に参加できるよう促す基盤を構築しています。当社は、人事や調達慣行の見直しを定期的に行い、雇用及び事業参加の機会を取り入れることで、先住民やトレス海峡諸島民の人々や企業の参入障壁を取り除いています。

当社の「Solid Pathwaysプログラム」は、先住民及びトレス海峡諸島民に、エネルギー業界で働くための学習や能力開発の機会を提供するものです。プログラム参加者は、INPEXオーストラリアでの長期的な直接雇用の可能性を見据えて、12~18カ月間の実地訓練と外部研修を受けます。2023年度末時点で、9名の先住民及びトレス海峡諸島民がこのプログラムを通じて雇用されています。

INPEXは、「Stretch RAP 2023-2025」のもと、2025年度末までに先住民及びトレス海峡諸島民の直接雇用者を60名、比率にして従業員の5%に増やすよう取り組んでいます。2023年度末時点で、52名の先住民及びトレス海峡諸島民が雇用されていますが、これは従業員総数の3.7%に相当します。

ビジネス機会に関しては、「Stretch RAP 2023–2025」の中でINPEXまたはそのビジネスパートナーが、先住民及びトレス海峡諸島民が所有する24の企業に対し3年間で1,500万豪ドルを目標として契約締結することを約束しました。2023年度末時点で、当社は先住民及びトレス海峡諸島民が所有する企業16社とビジネスを行い、総支出額は820万豪ドルに達しました。

ケーススタディ:マイルストーンの達成を祝う

生産技術者らがINPEXとプログラム管理陣と共に祝う様子

2023年5月、INPEXはダーウィンで、新たに生産技術者の資格を取得した研修生9名のキャリアのマイルストーン達成を祝うイベントを開催しました。

Programmed Skilled Workforceが提供するこの2年間の研修生プログラムは、実地訓練と教室での研修を組み合わせたものです。参加者は、プロセスプラントオペレーション業務検定のII及びIIIを取得するほか、緊急時対応、ハイリスク作業ライセンス 、応急処置、その他一連の安全研修コースなどの重要な研修も受講します。 

陸上オペレーション担当ジェネラルマネージャーのDave Dannは、チームの業績を次のように称賛しています。

「新しく資格を取得した生産技術者の皆さんは、新型コロナウイルス感染症パンデミックの真っ只中に研修を開始しました。テンポが速く、人手は足りず、施設は初めての大規模修繕を行っている状況下でありましたが、このような試練に直面しながらも皆さんが見せた忍耐力と粘り強さは、皆さんの強さの証であり、それは間違いなく皆さんの将来のキャリアに役立つことでしょう」。

また、研修生の支えとなった家族と、Programmed Skilled Workforceチームも、研修生がプログラムを乗り切り目標に到達できるよう指導し激励したとしてイベントで表彰されました。2023年度は、9名の生産技術者がINPEXに就職しました。

2015年以来、12名の先住民及びトレス海峡諸島民が生産技術者研修を無事修了しましたが、これはINPEXの研修生総数である35名の34%に相当します。

生産技術者らがINPEXとプログラム管理陣と共に祝う様子

文化遺産の保護

オーストラリアでは、当社が事業活動を行う地域の文化遺産を保護するため、文化遺産管理計画を策定し、実行しています。文化遺産に関しては、イクシスLNG陸上処理プラントが立地するダーウィン地域のララキアの土地や水域の伝統的な所有者として、さまざまな経歴や経験を持つララキアの人々が中心となって構成されるINPEXララキア・アドバイザリー・コミッティに相談を行っています。

当社は、先住民にとって重要な文化財の保護に長年取り組んでおり、イクシスLNG陸上処理施設の建設の初期段階からララキアの文化遺産保護監査員を導入し、周辺地域の遺跡への影響を最小限に抑えています。

2023年度にINPEXは、ララキアの人々にとって文化的に重要なエリアと資源を保護するため、ララキアが所有する企業と契約してヘリテージ・ヒル(ララキアの人々との協議によって文化財を移設した場所)の周囲に恒久的な鉄柵と標識を設置しました。