Sustainability Report 2023

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Sustainability Report 2023

環境パフォーマンス

大気汚染の防止

当社では、事業活動による大気質への影響を低減するため、プロジェクト実施国の法令及び国際的なGood Practice等に基づき、大気汚染防止対策を講じるとともに、排ガスモニタリングや環境大気質モニタリングを実施しています。

当社のプロジェクトから排出される大気汚染物質には、SOx、NOx、VOCs(揮発性有機化合物)などが挙げられます。オペレータープロジェクトでは、製品製造プロセス、燃料の燃焼設備、天然ガスの放散、ローリーによる出荷など、大気汚染物質の発生源を特定し、排出量を計測・管理しています。

2023年度の当社全体のSOx 排出量は94トンとなり、前年度から約91%の減少となりました。また、NOx排出量は3,456トンであり、前年度と比べ、約13%減少しました。NMVOC(非メタン揮発性物質)排出量は2,651トンであり、前年度と比べて約38% 減少しました。これは、イクシスLNGプロジェクトにおいて、NMVOC 成分を多く含むフレア放散量が減少したことが主な要因です。また、イクシスLNGプロジェクトにおけるフレア放散量の減少や安定操業に伴い、PMの排出量についても減少していることを確認しています。

 

Sox排出量推移(国内・海外)

単位:トン

NO排出量推移(国内・海外)

単位:トン

NMVOC排出量推移(国内・海外)

単位:トン

淡水の利用

淡水取水量推移(国内・海外)

水資源のなかでも、淡水の取水管理は当社の水管理における主要課題であると認識しています。国内外のオペレータープロジェクトでは、取水量及び石油・天然ガスに随伴する産出水の排出を管理し、水資源への影響を低減する取組みを実施しています。当社のオペレータープロジェクトでは、淡水(上水、工業用水、地下水) を主に冷却、発電、及び掘削作業といった用途に使用しています。2023年度は、当社全体で約1,625千m3の淡水を取水しました。

また、国内においては、通常の冷却、掘削作業といった用途の他、冬季の消雪散水などのためにも地下水を使用します。淡水使用量の削減のため、冷却水の循環利用や消雪散水設備への自動発停装置の導入などに努めています。

イクシスLNGプロジェクトにおいては、水使用量削減に向けて、LNG 基地内の施設における淡水使用量の調査を実施し、プロセスからの処理廃水及び発電施設からの廃水蒸気水などの再利用の可否について、費用対効果を勘案し検討を進めています。

海水の利用

イクシスLNGプロジェクトの海上生産施設では冷却水として、また直江津LNG 基地では気化器における熱交換のために、淡水の代わりに海水を利用しています。これらの拠点で利用される海水は、取水温と排水温の温度差や残留塩素濃度などに関する操業国の法令や国際的なガイドラインの基準を満たしていることを確認した上で、海域に排水しています。

産出水の排水管理

産出水排水量推移(国内・海外)

単位:千m3

石油・天然ガスの生産操業に伴い発生する随伴水は、地下に還元圧入、又は事業を実施する国及び国際的なガイドラインの排水基準を満たすことを確認した上で、排水しています。2023年度に発生した総随伴水量約81万m3のうち、28%は還元圧入し、残りは適切な処理を行った後、河川又は海へ排水しました。

廃棄物量

2023年度は、当社全体で約41千トンの廃棄物が発生しました。廃棄物量は、掘削作業の有無等、各事業拠点の活動内容により大きく変動する特徴があります。事業における廃棄物管理の課題を特定し、再利用や再資源化を含む資源の効率的利用に関する取組みを推進するため、2023年度より、当社事業における定常作業と非定常作業1によって生じる廃棄物に分類し、GRI306の報告分類に従い、それぞれ集計を実施しています。国内で発生した約30千トンの廃棄物のうち約12千トンはリサイクルされています。海外プロジェクトでは、約11千トンの廃棄物のうち約7千トンはリサイクルされています。当社の廃棄物量は、各事業拠点の活動内容により大きく変動する特徴があります。2023年度は、掘削作業時の掘り屑の発生などを理由に主に日本国内での廃棄物量が増加しています。

詳しくはESGデータをご覧ください。

1 掘削関連作業等